六大新報に掲載されました【第2回 日泰文化交流「運動会」】

六大新報・平成26年新年号に、第2回日泰文化交流「運動会」についての、水谷栄寛理事長の寄稿が掲載されました。 rokudai201401.jpg
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日泰文化交流「運動会」開催ご報告


ASIRA(全真言国際救援機構)は 、平成251119日、昨年(平成24年)に引き続き、女子プロレス団体LLPW-Xと協力し、タイ国の小学校で、日本風の「運動会」を開催いたしました。

タイでは、運動の大会といえば、成績優秀者が競う競技会を行うことが主流で、全校生徒が参加する日本式の「運動会」は非常に珍しいと言われます。

両国の交流と相互理解促進のため、また、洪水被害への支援として、日本風の「運動会」をタイの子供たちに体感してもらう試みとして、昨年(平成24年)初めての開催いたしました。

そうしたところ、子供たちはもちろん、教職員にも大好評をいただき、熱烈なアンコールによって、本年も開催が実現したものです。

本年は、更に「昼食を全員でとる」という、やはりタイでは珍しい試みを行いました。


ASIRAの参加者は、顧問の上村正剛、副理事長の細沼秀行、事務局長の番場雅文、内田寿明に、理事長である私、水谷栄寛を含めた5名の僧侶と、6名の同行者。LLPW-Xは、神取忍、井上貴子、遠藤美月、渡辺サキ、神撫ミズキの5名が参加しました。

今回の「運動会」は、上記の他、現地の日本人ボランティア3名、タイ人ボランティア3名とあわせて、総勢22名のメンバーが協力して進行を行いました。

タイの学校側の職員は40名でした。


今回は、支援の輪も広がりました。

アサヒビール様と東急リバブル様より、約2000枚の団扇が寄付され、暑さをしのぐ為に、「運動会」参加者全員にお配りいたしました。

横浜の高橋さんからは200個の人形、同じく横浜の医師である鳥山、鈴木の両氏からはボールペン100本が寄付され、当日、一着の生徒への賞品として活用させていただきました。


今年の「運動会」は天候に恵まれ、全校生徒約700名が参加しました。

彼らは、我々が昨年贈った赤・白のハチマキを巻いて、二つのグループに分かれました。

朝の9時前に校門に到着した我々を、全校生徒が二列に並んで迎えてくれました。

校長先生を始め、全員が我々の再来を歓迎してくれていることが、ヒシヒシと伝わってきました。


種目は、日本の運動会では一般的なものばかりです。

低学年の「玉入れ」から始まり、中学年の「飴食い競争」「パン食い競走」、高学年の「ムカデ競走」「綱引き」と続きます。

三年生から六年生まで参加する徒競争には、私(水谷栄寛)も参加し、二着2回、一着1回という成績でした。

競技の合間には、LLPW-Xの選手たちがプロレス技を披露して、生徒たちからは大きな喝采が起こりました。


タイの暑さの関係上、運動会は午前中で終了し、「生徒全員で昼食をいただく」という試みを行いました。用意した二千食の料理は、あっという間に、彼らの胃袋へ消えました。


表彰式では、校長先生へ、復興支援金30万円を手渡しました。昨年の支援金は小学校の塀に姿を変え、少しづつですが、小学校から洪水の傷跡が消えて行っていましたことに、ホッとした気持ちになりました。

同時に、カンチャナブリにあるFCFという団体が運営する孤児施設にも、10万円を寄付いたしました。

校長先生や教職員からは、昨年同様、翌年の運動会実施のラブコールをいただきました。


式典終了後は、我々と小学生が、全員で手のひらタッチをおこないました。

小さい子も、大きい子もいます。満面の笑顔あり、恥ずかしげな顔あり、すまし顔もあり、皆様々でしたが、ぬくもりは確実に伝わってきました。

それが終わると、小学生たちは我々を取り巻き、サインを求めてきました。

団扇や紙の切れ端、あげくは自分の手のひらや腕にまで。

別れを惜しみながら、我々は学校を後にしました。


タイなど、東南アジアの学校を訪れるたびに、校内の規律の良さ、生徒の純粋さ、教師と生徒の信頼の深さに驚かされます。

これは、今の日本では中々経験できない、貴重な体験です。

ASIRAは、東南アジアの子供たちの笑顔がずっとつながって行くことをめざし、支援活動を展開してゆきます。

来年は皆様も、ASIRAによる、タイの「運動会」に参加してみませんか。

活動へのご支援を、よろしくお願いいたします。